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JCで一皮むけた経験book

一皮剥けた経験

常に正直な自分と向かい合う

小倉裕之 先輩

1993年、日本創造教育研究所が主催する研修を受講した。日本JCで副会頭をされた田舞徳太郎さんが、JCで得た経験やノウハウをもとに作ったLD(指導力開発)系のプログラムだった。当時、LDが流行りだったので、呉JCでも多くのメンバーがこの研修を受講していた。二泊三日のセミナーで、内容は日本JCのPIPプログラム(Personal skill, Inter, Personal skill Program)の大元のようなものだった。当時、26歳とまだ若かった自分は、最初はこの研修を斜めから見ていた。しかし、実際に受講してみると、逃げている自分があらわになり、大きな衝撃を受けた。
翌94年は人間開発委員会の委員を、95年は指導力開発委員会の副委員長をさせてもらい、二年続けてのLD畑となった。両年とも、川尻のうしお寮で、仮入会員を対象にPIP研修を実施した。また、学生時代の応援団での経験を活かし、早朝から相撲の四股の姿勢で海に向かって、腹の底から大声を出すという「猛呼訓練」もした。94年は、民家に飛び込ませ、そこで写経をお願いし、書いてもらうまでは帰れないというプログラムも行った。これは連帯責任としたため、全員が帰ってくるまで終われなかった。最後の一人が戻るのに随分と時間がかかったが、姿が見えたときは、全員が自然とスタンディング・オベーションで迎え、感動的だった。95年には、厳しさにさらに追い討ちをかけるように、伊勢神宮の五十鈴川で水行も行った。この二年間は、仮入会員にとっては、大変きつかったと思うが、彼らの中から4人もの理事長(具体的には、銭村彰太郎君、金清和人君、金原一次君、奥原祥司君の4名)が誕生したのは、何とも嬉しかった。
96年には、中国地区協議会のインストラクター養成委員会に委員として出向させてもらい、ここでPIPについて、初めて体系的に学ぶ機会を得た。PIPを通じて、自分の甘さや感性のなさ、弱く我を張っているだけの自分に気付かされた。例えて言うなら、腸の中から自分の本当の姿が抉り出されるような、そんなイメージだ。人間誰しも、自分にだけは絶対に嘘をつけない。PIPは、その点に着目して開発されたプログラムだった。
その年は、インストラクターとして、中国地区内の各LOMを全部で20ヵ所以上回った。PIPを体系的に学んだことで、肩書きによるバイアスに左右されずに、人を見ることができるようになり、メンバーの「個」のレベルがよく分かるようになった。
PIPは、日常での応用範囲も広かった。例えば、JCで何らかの役を頼まれて、それを断ろうと思ったとき、頭に浮かんだ言い訳は、本当に自分に正直なものかと突きつけられた。正直なものではないことを悟ると、あとはもうやるしかなかった。だから、八年にも亘って、理事・役員の役を受け続けてきたのだと思う。JCを卒業してからも、PTA会長やNPO法人の理事長の役などをさせてもらってきた。言い訳をし、断る自分が、正直ではないことが、どこかで分かっていたからだ。
地区に出向し、インストラクターになっていなかったら、これほどまで本当の自分に向かい合っていなかったかもしれない。その意味で、人生の転機になったと思う。
次のインタビューは、95年に指導力開発委員会で副委員長をさせてもらったときに、委員長をされていた相原準一郎先輩に繋ごう。

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